マニュアルからの抜粋


図面のクリーニング

パーツ内の矛盾 (例えば、線が完全には平行でない、「接線」オブジェクト間に小さなギャップが ある、要素が重複しているなど) は比較的よくあるものですが、パラメトリック・デザインのように情報を抽出するためにパ ーツをスキャンするプログラムにとっては問題となります。 図面上の矛盾を取り除くことができるように、Designer Drafting では 制限付きでパーツをクリーニングできるツール をいくつか備えています。 その1つとして、次のクリーンコマンドがあります。

点間隔

指定された距離内のモデル点が結合され、結合された点に接する要素は、点の新しい 位置を反映するように必要に応じて調整されます (移動、引き延ばし、または回転されま す)。結合対象の点の各セットについて、点間隔は与えられた許容範囲内で位置を選 択し、点をそこへ移動します。一般的には、結合の結果としてどの要素が調整されるかを 正確に予測または制御する方法はありません。しかし通常使用される許容範囲は小さいため、ほとんどの場合、このことが制限になることはありません。点 間隔は、要素間の小さなギャップを削除する場合に非常に便利です。点間隔 を使用する手順は、次のとおりです。
  1. 編集クリーン点間隔 をクリックします。
  2. 距離の許容範囲を入力します (現在の長さの単位)。
  3. 与えられた許容範囲内の点に * が印され、結合されます。 結合の結果として編集される要素がハイライト表示されます。
  4. 確認 をクリックし、印を付けた点を結合し、 ハイライト表示された要素を編集します。

重複要素

重複要素は重複する要素をスキャンして削除します。このコマンドは、重複ペアから 削除する方の要素を選択します。モデル点が同一の場合、要素は重複すると考えられます 。同心円の場合だけは例外です。同心円の半径が、与えられた許容範囲内であれば、重複 として扱われます。通常、重複要素は、点間隔で モデル点の結合の結果として生じた重複要素 をクリーンアップするために使用すべきです。 重複要素 を使用する手順は、次のとおりです。

  1. 編集クリーン重複要素 をクリックします。
  2. 削除する重複要素について距離の許容範囲を入力します (現在の長さの単位)。
  3. 削除対象の要素がハイライト表示されます。
  4. 確認 をクリックして重複要素を削除します。

スタック

スタックは、カレント・パーツ内でスタックした線と円弧を検出し、 要素分割 を呼び出して分割します。ス タック を 使用する手順は、次のとおりです。

  1. 編集クリーン、スタックをクリックします。
  2. 分割対象の要素がハイライト表示され、分割に使用される点に * が印されます。
  3. 確認 をクリックして、要素を分割します。

移動

移動 は、カレント・パーツ内の移動された(部分的にオーバラップした)線、円弧を見つけてそれらを結合し、一つの「新しい」線または円弧を作ります。 「古い」線または円弧はこの操作で削除されます。移動 を使用する手順は、次のとおりです。
  1. 編集クリーン移動 をクリックします。
  2. 距離の許容範囲を入力します (現在の長さの単位)。
  3. 削除対象の要素がハイライト表示されます。
  4. 結合したら、確認 をクリックして不要な要素を削除します。

ギャップ

ギャップでは、Designer Drafting のトリミング機能を使用して、 2つ以上の要素間 (それらが円形要素や直線要素であっても) にある「微小」ギャップを閉じます。

「微小」ギャップを自動的に閉じるには、次の操作を行います。

  1. 編集クリーンギャップの順にクリックします。
  2. 要素間に閉じたいギャップがある要素を、 選択ボックスで囲みます。全要素選択モードを使用している場合は、 要素間の「正常な」ギャップを意図せずに削除してしまうことがあるので、 注意してください。
  3. 間隔の許容値 (現在の長さの単位で) を入力します。 この間隔の許容値は、要素間の必要な間隔をなくさないように、 「現実的な」(小さな) 値にする必要があることに注意してください。 間隔の許容値が大きすぎる場合は、多数のギャップが表示されます。 ギャップがすべて図面上に表示されると、「通常」ギャップを示す色長方形が 図面上に散乱することがあります。

    選択した部分にある「微小」ギャップと「通常」ギャップの数は、 プロンプト・ラインに表示されます。 ただし、「通常」ギャップは図面には表示されません。

  4. 実際と違って見えるため、必ず「微小」ギャップのプレビューを確認してください。
  5. 確認をクリックして、「微小」ギャップを閉じます。

図 77に、「微小」ギャップがある一組の要素の例を示します。 これらのギャップは、図面上でハイライト表示されてから閉じられます。 ギャップの大きさは、はっきり見えるように誇張されて表示されることに 注意してください。


図 77. 微小ギャップを閉じる

ギャップ表示

ギャップ表示は、2つ以上の要素間の「通常」ギャップを囲むのに使用できます。

「通常」ギャップを表示するには次の操作を行います。

  1. 編集クリーンギャップ表示の順でクリックします。
  2. 「微小」ギャップのボックス色を選択します。
  3. 「通常」ギャップのボックス色を選択します。
  4. 要素間にギャップがあるか、またはありそうな要素の周囲を 選択ボックスで囲みます。
  5. 間隔の許容値 (現在の長さの単位で) を入力します。 この間隔の許容値は、要素間の必要な空間をなくさないように、 「現実的な」 (小さな) 値にする必要があることに注意してください。 間隔の許容値が大きすぎる場合は、多数のギャップが表示されます。 ギャップがすべて図面上に表示されると、「通常」ギャップを示す色長方形が 図面上に散乱することがあります。

    選択した部分にある「微小」ギャップと「通常」ギャップの数は、 プロンプト・ラインに表示されます。

  6. 「通常」ギャップの数を入力します。

    必要に応じてこの数を増やすことによって、 「通常」ギャップを1つずつ表示させ、より詳細に調べることができます。 例えば、1 を入力して1つのギャップだけをボックスで囲み、 次に 2 を入力して次のギャップを囲む、という具合に行います。

    「通常」ギャップの合計数を入力すると、 これらギャップのすべてを同時にボックスで囲むことができます。

  7. ギャップ表示コマンドで「微小」ギャップも表示された場合は、 確認をクリックすると、これらを閉じるこ とができます。

図 78 に、3つの「通常」ギャップを含む図形の例を示します。


図 78. 「通常」ギャップの表示



RevA.00 2003,09,11 Thu by T.sakai