そばの歴史

・そばの原産地は?

そばの原産地は、東アジアの北部、アムール州の上流沿岸から中国北東部のダウリ
バイカル湖にわたる広い地域という説と、中国西南部の山岳地帯・雲南省という説が
あります。

・そばの栽培はいつ頃から?
考古学的に見て、紀元前4〜5千年前からエジプトのナイル河流域、古代バビロニア
のユーフラテス・チグリスの両河流域、インドのインダス河流域、中国の黄河流域などにそばが栽培されていたとみられる跡やそばの種子が発見されています。

日本にそばが来たのはいつ頃?
日本が大陸と陸続きであった頃、大陸から移り住んできた先住民族がアジア内陸原産のそばの種子を蒔いたに違いないと言われています。
『続日本記』によりますと、722年の頃そばは救荒作物として植え付けを勧めたことが記されています。ということは、そばはそれ以前に中国から朝鮮半島を経て導入されたと推測できます。
そばの栽培は、少なくとも約3千年前の縄文晩期に始まったと見られています。

そばが普及したのはいつ頃?
昔(奈良時代)は、玄そばの皮をむき、水につけて、しばらくとろ火で粥ほどの水加減で、炊き上げるといった煮込み風おじやであるが、1241年に宋国から帰った東福寺開山聖一国師の功績により、水車を利用した碾き臼の使用により、そばの実を挽いて粉にする技術が日本にもたらされた。製粉の仕事が普及するにつれてそば団子、そば焼餅、そばがきなどいろいろの形を生み出した。

そば切り(今の麺としてのそば)の普及はいつ頃?
寛永18年(江戸時代1648年3代将軍家光の頃)奈良の茶人松屋久好の茶会記にそば切りが茶会で用いられていた。それ以前にそば切りは、現れていた。
また、18世紀後半大阪の砂場と称する店の繁盛ぶりの記事が『攝津風土記』に書かれている。
そば販売が江戸で始まったのは、1664年頃で吉原江戸町2丁目うどん屋仁右衛門
が「けんどん蕎麦切り」を売り出したという言い伝えがある

・そば切りの発展
江戸時代江戸の建設のために多くの職人衆、労務者が集まり、それらの人の安価な
食べ物であり、夜食用としても好適であり、江戸の庶民の嗜好に合ったものであった。
はじめは、そば切りは菓子屋の副業もしくは、内職であったが需要が増えてくるにしたがって、そば専門店の出現になった。(今も名残としてそばぼうろ、そば饅頭など)
菓子屋の副業ということは、将軍家の献上品や大名や武家・商家の要望にこたえるためであった。蕎麦切りの初期は蒸し蕎麦での調理方法からつなぎを用いたそばをつるつるやるそばに変わったことが江戸庶民の嗜好にかなった。
1664年頃浅草境内でそばの玉売りが江戸で市販された。
そば切りが戸板の上に黒椀に盛って並べられ、客を呼んだ。
江戸時代多くの職人・商人・労務者が集まり、それらの人たちが3代以上江戸に住み着くと、特殊な気質と江戸弁とを持った庶民が現れ、後に江戸っ子と称するようになった。今の日本橋、京橋、神田の繁華街に住む江戸っ子は、威勢がいいという気風と蕎麦のつるつるとのどを滑り込ませる感触が一致した。
1711年頃神田にそば粉2割小麦粉8割の割合で「二・八即座けんどん」という店が現れた。当時のお金で6・7文のものが後には、そば粉の量を増やし、逆の分量も現れた。またこの頃、麹町4丁目の瓢箪屋というけんどん屋が評判になり、手間を省いて「ぶっかけ」と称するものが現れた。1735年以降庶民の生活の向上に伴い江戸の生活と蕎麦とがいよいよ密接になつてきた。
*浅草寺の末寺称往院内道光庵では、寺のサービスとして参詣の檀家に蕎麦を振舞ったため毎日多くの人たちが集まったので、町場のそば屋さんが道光庵ほど繁盛するように屋号に(庵)をつけることがはやった。長寿庵、萬盛庵など
*更科蕎麦について
元禄のころ、布屋清助が領主保科家の殿様に招じられて、江戸屋敷内に住むようになった。代々そば打ちが巧みであったため8代目布屋晴右衛門が殿様から勧められて、故郷の更級郡の「更」と保科家の「科」を授けられたので麻布永坂に信州更科蕎麦処 布屋太兵衛の看板を掲げたのが始まりです。
1800代に入って文化・文政の時代になると江戸の爛熟期となり食味道も発展した。
蕎麦の薬味もねぎ、大根おろし、胡椒、梅干、などが用いられた。
歌舞伎も盛んになり、芝居小屋も繁盛して、舞台で台詞を忘れた役者が楽屋連中にそばを振舞う習慣があった。この時代江戸の食べ物屋は、約6千軒でおよそ半数がそばやであった。この頃に吉原などで蕎麦に茶をせんじて加えて塩で味を調えたり、玉露を汁代わりに使い塩で味加減を賞味する変り種まで現れた。
江戸時代から親しまれてきた蕎麦は、荻窪、高井戸、吉祥寺、三鷹、小金井、深大寺
が主とされたが、明治になると、近郊の開発のため蕎麦畑は減少し、千葉、茨城から
輸送された。

そばの栄養学
ルチンの含有量         そば粉100g当たり    5.7mg
たんぱく質            そば粉13% 小麦粉8% 白米6%
たんぱく質の必須アミノ酸   そば粉89.7% 小麦粉46.7% 白米75.6%
脂肪                そば粉の2〜3%の祖脂肪を含む
                   オレイン酸55% リノール酸20% パルミチン酸13%
炭水化物             そば粉の70%でほとんどが澱粉
蕎麦のカロリー          100gあたり 366カロリー

○ビタミンが豊富
 蕎麦には、ビタミンB1、B2(疲労回復に効果あり)が多く、それも小麦や白米などの
 2〜3倍も含まれております。これらのビタミンは、食欲を増進させ、いらいらする
 神経を鎮め、疲労感やいねむりをなくしたり、口内炎、口角炎、脱毛、爪のまわりの
 ささくれなどを防ぎます。
 また、ビタミンの1種であるコリンも含み、これは脂肪肝や肝硬変をを防ぎ、肝臓を
 強化する働きをもっています。お酒を飲んだ後は、どうしても肝機能の負担が大きく
 なるので、お蕎麦をたべると肝臓をまもり、さらに血圧や血管のためにも役立つでしょう。
  そのほか、白米の3倍以上も含まれているパントテン酸があります。これは、ホルモンの合成に役立ったり、疲労回復や炎症を和ら  げたりする働きがあります。
 パントテン酸が不足すると、胃潰瘍になりやすく、精力が減退し、胃や四肢が痛んだり、頭痛、動悸がしたり、頭がぼんやりして眠たく なります。

○豊富なルチン
 そばには、ポリフェノール系のルチンが含まれているため、活性酸素を除去する酸化
 防止作用があります。また、ルチンとともにリノール酸やビタミンEなどが毛細血管を強くし、動脈硬化を防ぎ、血圧降下の働きをもつため高血圧に効果があります。

○理想的な栄養バランス
 蕎麦は、栄養のバランスがよく、たんぱく質がほかの穀物、麺類より多いばかりでなく、リジン、トリプトファン、メチオニンなどのアミノ酸が多く、その組み合わせがとても優秀なのが特徴です。
 そのほか、ビタミンB1、B2、ナイアシンも多く、カルシウム、鉄、マグネシウム、ナトリウム、マンガン、アルミニウムなどのミネラルやルチンが含まれています。
 そばのたんぱく質は、グロブミン、アルブミンの純たんぱく質で40%が水溶性たんぱく質のため、とても消化の良い食品です。また、成長を促進する胚芽が蕎麦の実の中央にあるため、他の穀物よりも多く(小麦や米は胚芽が実の外側にあるため、殻を取るときに胚芽が落ちてしまう)子供の成長や高齢者の老化防止に効果がある。