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『トリトン』とワールドカップ
『トリトン』が初演されたのは90年、サッカーのワールドカップ開催中のこと。実は、もともとワールドカップのために創作を依頼されていたものの、本人に思うところあり辞退。結局、試合の合間を縫ってサン・ドゥニのカサノヴァ競技場で上演されることになったのだ。ちなみに当時のタイトルは『トリトンと三つの小さなトリチュール』だった。 |
“はじめまして、日本”第3弾
『トリトン』は、フランスでは毎年のように上演されているロングヒット作品。子供からお年寄りまで、たくさんの人々がその幻想的な世界を楽しんじゃってるのだ。そして今年、いよいよ初のアジアツアーが実現。来日公演は『プティット・ピエス・モンテ』『シャザム!』に続いて3本目だけど、これらに比べるとダンスに重点が置かれた作品といえそう。 |
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ドゥクフレとサーカスの蜜月
実はドゥクフレ自身、10代の頃にパリの国立サーカス学校で教育を受けている。それ以来、サーカスは彼が長く愛しているもののひとつ。うっとりしたりビックリしたり、彼の作品を観て無垢な子供のような気持ちになれるのは、彼自身がその心を大切にしているからかも。カンパニーD.C.A.にも数名のサーカス出身者が在籍している。 |
鉄骨アーチは語る
舞台上のアーチは、サーカステントをイメージしたもの。鉄骨でできているのだが、その重さ、なんと11トン! そして終盤、燃えさかる火が舞台上に作るアーチの影は、本当に美しい。美しいったらないのだ! これも、光と影を巧みに使うドゥクフレならではの演出。ダンスだけではなく、あらゆる視覚的要素が取り込まれている。 |
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アルベールビル冬季五輪の開会式当時、ドゥクフレは全くの新人無名振付家だったのだ。にもかかわらず、そんな男を大抜擢して、いきなり世界を震撼せしめてしまったフランスという国の芸術センスの力量には、ホントかなわんなあと思った。ああ、さすが、フランス!
日本ならば、無名の才能ある新人を起用するなど絶対考えられぬことだし、その後の五輪開会式で、あの大会を超えるものが皆無だったことを考えても、ドゥクフレを世に送り出したフランスは真に賞賛に値する。
ドゥクフレの才能は、いわば自由な自我の拡張上に成立するものである。自由な自我を殺すことによってしか大人として自立できない日本人とは違い、自由な自我をおしすすめることによって大人として自立するフランスの国民性があの幻想の頂点を生み出したといえるのだ。
シュルレアリストのブニュエルはかつて「自由の幻想」という映画を作ったが、実際のところ、フランスという国は、シュルレアリストにしろユゴーにしろネルヴァルにしろ、そしてドゥクフレにしろ、「幻想の自由」さにおいて世界に勝利したのである。頑張れドゥクフレ、負けるなフランス。ついでに、トルシエ監督も……。日本の不自由で貧しい国民性に押潰されることなかれ。 |

人をビックリさせることがアートだ! と思っている私にとって、フィリップ・ドゥクフレ氏の創りあげる世界は、まさに総合エンタテインメント! 彼のミラクルな舞台には本当に驚かされっぱなし。きっと、「こうやったらみんなビックリするかな?」とか思いながら舞台を創っているに違いない!(←いいきっていいのか?)彼のそういういたずらっぽい少年発明家みたいなところが、大好き!
個性たっぷりのユーモラスな動き、調子っぱずれで詩的な音楽、仕掛け絵本のようなファンタジックな衣装、トリッキーで無重力な舞台表現。彼は、そんなさまざまな魅力的な素材から創った最高においしい料理を、「こんなの、食べたことある?」ってだしてくれる、好奇心いっぱいのシェフのような人なのです。それはまだ誰も体験したことのない宇宙空間への入り口のよう! さあ、次はどうやって私を驚かせてくれるのかなあ……?
●大谷さんのホームページ●
http://www.ttn.ne.jp/naoh/
ドゥクフレへの熱い想いを綴ったコンテンツは必見。さらに、日本初(?)ドゥクフレのメーリングリストを立ち上げる予定。興味のある方はこちらへ
naoh@po.ttn.ne.jp |

【大谷さんの宝物】
昨年の『シャザム!』公演のときに、ドゥクフレ本人からもらった名刺(写真中央右)、パンフレットのサイン(同左)など。イラストまで描いてくれて「すっごく感動!」だそう。
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さあ、これであなたも幻想的で独創的なドゥクフレ・ワールドを
体験せずにはいられなくなったはず。
待望の来日公演は10月24日(火)〜30日(月)まで、
世田谷パブリックシアターにて。
いまだかつて観たことのない世界があなたを待ち受けている!!
(26日(木)の公演終了後、アフタートークあり)
●フィリップ・ドゥクフレ&カンパニーD.C.A. 公式ホームページはこちら●
http://cie-dca.com/
●世田谷パブリックシアターのホームページはこちら●
http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/


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