マイクロ・バート(MicroVert)アンテナ 製作記
暖かくなって来たので、前々から気になっていたマイクロ・バート(MicroVert)アンテナを作ってみました。このアンテナはDL7PE、Juergen Schaefer氏が開発したもので、あちこちのWebで手軽な割には性能が良いとのレポートがなされています。(「MicroVert」で検索してみて下さい) 2004年12月号のCQ誌に詳しい記事が掲載されていますので、それを参考に持っていない3.5MHzのアンテナを製作してみました。
Lメーターやアンテナ・アナライザー等の測定器を持っていないので、CQ誌の記事やJA1VUC、星野氏が作成したExcelの設計シートを使って製作しました。RFチョークはFT240#43を2段重ねにして1.5D-2Vを12回巻き、共振コイルは32φの塩ビパイプ(1m)に1φのUEW線を95回密巻きにします。(全長は約120mm) ラジエターは20φのアルミパイプ800mm、26φのアルミパイプ1185mmをホース・バンドでつないでスライドさせて調整出来る様にします。カウンター・ポイズは5D-2Vが約16.5mです。ローカル局のJA9RBZ、佐野さんにアンテナ・アナライザーをお借りして地上で粗調整(3.51MHzに合わせた) をしてから(その時は20φのアルミパイプ部は750mm)、大屋根の鴨居に固定しましたが上げたら3.55MHz辺りで共振してしまいラジエターのパイプで調整をとりました。(屋根から落ちそうで危険だったので20φのアルミパイプの長さは測れませんでした) カウンター・ポイズの引き回し等でも変化するみたいです。(大屋根の上にロープを張って三角形の形にしました。判りやすい様に写真に赤線を入れてあります)
アルミパイプ、トロイダルコア、UEW線、使い古しの5D-2V等、全て手持ちの物で作ったので製作費は塩ビパイプやホース・バンド諸々で1000円未満で納まりました。写真の様にSWRはバッチリ下がりました。夜、8J10Yという記念局がCQを出していたので(559位) 50Wで呼んでみたら一発で応答がありました。他に3.5MHzのアンテナが無いので比較は出来ませんが、一応電波は出ているみたいです。でも、ノイズが多いです。もうしばらく使ってみないと良し悪しの判断はつけられませんので追ってレポートしたいと思います。
2006年4月25日
夜に聞いてみたら国内局が何局かCQを出しています。早速50WでJN1NOP局をコール。一発で応答があり599をもらいましたがリアルレポートかは?です。その後JE9PEM/9局を10Wでコール。こちらも一発で応答がありやはり599のレポートをもらいました。共に相手も599で入っていました。ただ、やはりノイズレベルが高い。その後7K3QPL局が599+10dbで強力にCQを出していたので5Wに絞ってコールしてみたらやはり一発で応答がありました。/QRPを付けて呼んだのにもらったレポートは599でした。昨晩はVU4の信号も539位で聞こえましたから、それなりにこのアンテナは使えそうな感じがして来ました。
UA0LELがCQを出していたので100Wでコールしてみました。相手は599でしたが貰ったレポートは559でした。MVアンテナでは初DXです。
5月18日
2006年の「国際QRPデー」特別記念局の8J1P/9の運用をさせてもらい、夜にK2の5Wで3.5MHzに出てみました。夜の19時頃から約40分間で32局の成果でした。相手局は概ね599と強力でした。国内では十分に実用になります。ただ、やはりノイズが酷く弱い局を取るのには苦労しました。QRP局は1局だけでした。こうなると1.9MHzにも興味が湧いてきます。
JA1HWO局のHPに便利な計算ツールがありました。今度はこれを使って1.9MHz版に挑戦してみます。ただカウンター・ポイズの同軸が30mと長くなるのでどう引き回すかが問題です。
6月10日
夜8時前、何気なく3.5MHzを聞いていたら国内のコンテスト(オール岐阜)をやっているようでたくさんの国内局が599+で聞こえています。ダイヤルを回していたら8J1P/8がCQを出しています! 相手は5Wながらノイズの中しっかりと聞こえています。(559〜579) こちらも5Wでコールしたら最初QRZ?が返って来ましたが2回目のコールでフルコピーしてもらいました。(もらったレポートは559) やはりこのアンテナ使えます。
11月29日
夜23:45、MVアンテナ初の北米大陸とのQSOに成功! 相手はVA5DX。559程度だったが誰も呼んでいなかったのでコールしたら最初は「?」 次にコールしたら「JR9?」 次にコールしたら「JR9OWP」 流石に諦めたらしくまたCQを出し始めた。しばらく聞いていて信号が上がったタイミングを見計らって再度コールしたら、今度は何とか返って来たものの「JR9OP1 JR9OP1 449 449」と打って来た。まあ、Jを1と打ち間違えているだけだろうと559のレポートを送ったが..。ついにMVアンテナ+100Wで太平洋を越えたのだった!