平成20年度 読書感想文コンクール
今年の小学校課題図書はこちら
| 書名 書きやすさ |
作者 | 出版社 | イシハラの感想 | |
| 低 学 年 |
ふしぎなキャンディーやさん ★ |
みやにしたつや | 金の星社 | あの「おまえうまそうだな」のみやにしさんの作品。「おまえ…」よりは単純です。次々と意外な展開を見せる前半、考えなしの行動に出るブタくんが愉快な後半、どちらも子どもには楽しい内容です。 でも、ここから感想文を書くとなると、妙な道徳臭に陥る危険性ありか?素直な感想を書くと、底が浅くなる気がしました。 |
| ぼくがラーメンたべてるとき ★★ |
長谷川義史 | 教育画劇 | 「おじいちゃんのおじいちゃんの…」の長谷川作品。こちらは、かなり高度な問題提起を含んだ絵本です。最初は「これはのみのピコ」風に始まり、テンポよく進んでいきますが、途中からおや?となり、最後は非常に厳しい世界の子どもたちの現実にまで発展していきます。 低学年でこれをどこまで消化できるか、読み手を選ぶ作品です。 |
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| かわいいこねこをもらってください ★★★ |
なりゆきわかこ文 垂石眞子絵 |
ポプラ社 | 小さい子猫を拾ったちいちゃんが、無事飼い主を見つけるまでの10日ほどのお話。これは泣ける話です。一応ハッピーエンドと言えるのでしょう。母子家庭の置かれた状況、意地悪なからかいなど、ちいちゃんを取り巻く世界はなかなか厳しい。その中で、ベストを尽くして、貰い手を捜す様子が健気です。 ある意味感想を書きやすい本です。『無事飼い主が見つかってよかったね。』で終わらず、ちいちゃんの心の成長に焦点を当てた方がいいかな。 |
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| 小さなあかちゃん、こんにちは! ★★★ |
デ・レーク、シーガル作 ブルーナ絵 |
講談社 | 副題は「未熟児ってなあに」です。絵はあのブルーナ、子どもたちには馴染みのある絵柄です。たまに写真が入って、このお話が事実であることを伝えてくれます。生まれてきた赤ちゃんが未熟児だった。その意味の分からないまだ小さな姉・兄が、次第に赤ちゃんのことを分かって、ようやく家に迎えるまでの話です。 読書感想文にすると、子どもたちはどの切り口から書き出すのか、見当がつきません。姉・兄視点になるのかな。未熟児の生きる力のすばらしさ、兄弟・家族の深い愛情、どちらでも書けそうな感じです。 |
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| 中 学 年 |
3年2組は牛を飼います ★★★★★ |
木村セツ子 | 文研出版 | 学級で牛を飼育することになった動物嫌いのまゆ、問題ばかり起こすナオヤの成長が、子牛のお世話当番を通して描かれます。中学年向けの話ながら、生きものを育てることの意味、責任、友達との協力、レッテルはがしなど、様々な問題を含んでいます。 物語はまずまず読みやすく、感想も書きやすい内容。何人かの主要人物のどの子にでも感情移入できそうです。 |
| ぼくのだいすきなケニアの村 ★★★★ |
ケリー・クネイン | BL出版 | アフリカという子どもにとっては未知の世界を、色鮮やかな絵で覗かせてくれます。牛の番を頼まれたけど、子どもらしい誘惑に次々に負けてしまうぼく。起きる出来事は日本とはてんで違うのに、なぜか分かる気がするのが不思議。子どもが働くことが普通で、その中でいきいきと暮らす人たちや自然の姿が描かれます。 これも分かりやすい。主人公のおじいさんの優しく厳しい眼差しと、そのときの僕の表情は、ぜひ読み取らせたい。 |
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| 花になった子どもたち ★★★ |
ジャネット・テーラー・ライル | 福音館書店 | 母をなくした姉オリヴィア(9歳)と妹ネリー(5歳)が、預けられた年寄りのおばさんの庭をきっかけに、少しずつ成長していく物語です。ネリーの我が儘やオリヴィアの忍耐を、3・4年生がどう読み取るのでしょうか。大人から見れば理不尽な言動も、子ども目線なら共感できるのかもしれません。結果的には大きくとも、プロセスにおいてはほんの少しの「心の変化」を読めると、いい感想文になりそう。 | |
| 今日からは、あなたの盲導犬 ★★ |
日野多香子 | 岩崎書店 | 盲導犬がどのように訓練されるかを、子犬の誕生から追ったルポ。一言に盲導犬というけれど、一人前の盲導犬を巣立てる苦労、主人との合宿訓練など、興味深い内容です。 訓練の結果盲導犬になれなかった犬のこと、犬と人間の寿命の違いなど、気付きにくい点もきちんと描かれています。実録ものだけに、どう書くか、悩むかもしれません。 |
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| 高 学 年 |
チームふたり ★★★★ |
吉野万理子 | 学習研究社 | 小学校の卓球クラブを舞台にした物語で、「バッテリー」系を期待すると、全然違います。主人公・大地は、男子キャプテン。自分の中に、自分はこうありたいという理想を持っていて、それに近づくべく、ちょっとがんばっているところが読者たるフツウの小学生とは違います。スポーツ物の側面と、人の生き方・あり方が連動していています。読後感は爽やかながら、軽薄短小な時代への警鐘ででもあるかのようです。高学年に、こういう心の持ち方を知って欲しいですね。 |
| 耳の聞こえない子がわたります ★★★ |
マーリー・マトリン | フレーベル館 | 主人公は活発で負けず嫌いな難聴の女の子ミーガン。サマーキャンプなど、アメリカの女の子の日常を活写して、障害は不幸ではなく個人差なのだということが、押し付けがましくなく伝わってくる。内気な健常者であるシンディとの交流の中で、少しずつ友情が生まれ、それぞれが成長していくのも、よく分かる。この作品は、いろいろなアプローチの仕方が可能なので、どの子でも感想文が書きやすいかな。 | |
| ブルーバック ★★★ |
ティム・ウィントン | さ・え・ら書房 | 日本の物語とは全く違った味わいです。豊かな海の自然を、開発の手から守る物語なのですが、大きな出来事が起こるわけではなく、30年以上の時間が流れます。その中で、主人公たちは「大好きな海を守りたい」という一念で、日々の小さな努力を積み重ねていきます。ものごとは一朝一夕には変わらないけれど、諦めなければ思いが実現するのだということが、美しい海(ブルーバックという大魚)の描写とともに、心に満ちてきました。淡々とした筆致を、丹念に読み取っていけば、感想は書かきやすそうです。 | |
| なぜ、めい王星は惑星じゃないの? ★★ |
布施哲治 | くもん出版 | 子どもの理科嫌いが増えている時代、こういうわかりやすい入門書は必要かもしれません。冥王星が惑星ではなくなった過程を、天王星の発見時まで遡って、丁寧に検証していきます。科学は現時点での真実を定めますが、それは科学の進歩とともに否定されていくという、科学という学問の宿命も、きちんと書かれています。感想文となると、ちょっと書きにくそうですが、科学者の熱意という視点からアプローチすると、分かりやすいようです。 |